イナンナの冥界下り

シュメール神話『イナンナの冥界下り』や天籟能の会のためのブログです。

雑記

ついに始動!イナンナプロジェクト

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ついに始動!イナンナプロジェクト

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アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)の助成を得ての「『イナンナの冥界下り』欧州公演プロジェクト(略称、イナンナプロジェクト)」が、2015年8月からいよいよ始動します。

このプロジェクトは、世界最古の都市文明と言われているシュメールの神話であるイナンナの冥界下り』を、日本の古典芸能の手法を使い、シュメール語と日本語を交えて上演し、さらにはそれを世界に持って行っちゃおう!というプロジェクトです。

2015年、2016年と東京を中心に舞台を重ねつつ、2017年にはシュメールの遺物を多く有するイギリスフランス、そしてヨーロッパの祖語に近い言語を使うリトアニアでの公演を予定しています。

イギリスではロンドンの大英博物館、フランスではパリのルーブル美術館での公演の実現に向けて動き始めました。 

●進化・変容する上演形態

本上演は、回を重ねるごとに、そして会場を変えるごとに進化、変容していきます。

現在、予定されている東京での会場はセルリアンタワー能楽堂(渋谷)日本デザインセンター(銀座)西徳寺(浅草)と場所も雰囲気もまったく違う会場です。その会場に適した舞台装置、音楽等で上演する予定です。

その際には作曲をヲノサトルさん、舞台装置を建築家の光嶋裕介さんに依頼し、脚本にはいとうせいこうさんにもご参加いただく予定です。また、イラク大使館との共同で、シュメールの竪琴を、イラクの職人によって復元し、製作されたもので演奏をしたいと思っています。

●「参加する」プロジェクト

本プロジェクトは、ただ観客の方にご覧いただくだけではありません(と言っても舞台を観に来て何かをさせられるというわけでもありませんのでご安心を)。

この神話や上演形態を、
より深くご理解いただくために以下のワークショップを、やはり2015年8月より開催いたします。このワークショップに参加され、「自分も舞台に出てみたい」という方がいらっしゃるかも知れません。

概略は以下の通りです。内容は追ってお知らせします。

  講師  
シュメール語 高井啓介 『イナンナの冥界下り』をシュメール語で読みます
能楽 安田 登 能の謡と「和の身体技法」
浪曲 玉川奈々福 日本の「語り」のテクを身につける
声楽 香西克章 発声講座 心と身体を結び、時空を超える声を!
ダンス 蜜月稀葵 ダンスと柔らかいからだ

●試みのプロジェクト 

『イナンナの冥界下り』の主人公は、シュメールの女神イナンナです。その役はダンサーの蜜月稀葵(みづきまれあ)さんが勤めます。

そして、もうひとりの主人公はイナンナの姉であり、冥界の女神であるエレシュキガル。この役は飯田美千香(百鬼ゆめひな)さんの操る人形(ひとかた)が受け持ちます。

人(ひと)と人形(ひとかた)との共演というのは、あまりないので、これをより完成させるために『イナンナの冥界下り』公演以外にも、さまざまな「試みの公演」をします。

その第一回目が8月3日(月)に行う『雪女』と『夢十夜』の公演です。

詳細はこちらをご覧ください。皆さまのお出ましを心よりお待ちしております。

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本公演は「アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)」の助成を得て、イナンナプロジェクトの一環として行っています。

 

ご無沙汰してます

ブログ、ちょっとご無沙汰しております。

実は先週の土曜日(6/27、2015)に僕たちの主宰する「天籟(てんらい)能」という大きなイベントがあり、それは無事に終了したのですが、いろいろ後始末があり、それでバタバタしております。

でも、この処理もあと一週間もあれば終わるので、そろそろ『イナンナの冥界下り』東京公演に向けて、さまざまな準備を始めていきます。

さまざまな公演やワークショップのお知らせも近日中に出しますので、お楽しみに~!

ちなみにこれから「てんらい」が予定している公演やワークショップは以下になります。日程はすべて未定です(って自慢してどうする)

【人形(ひとかた)・能・浪曲公演 ~漱石と八雲~】8月か9月(2015年)
飯田美千香(百鬼ゆめひな)さんの人形(ひとかた)と、玉川奈々福さんの浪曲、そして安田の能の謡による公演です。

『イナンナの冥界下り』で、冥界の女王エレシュキガルを演じるのは飯田美千香さんが操る人形。人形と人間とのパフォーマンスをお楽しみいただく公演です。

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『雪女』 や夏目漱石の『夢十夜』などを語り、舞います。
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【イナンナの冥界下り:東京公演】11月(2015年)、2月(2016年)
いよいよ東京でも上演いたします。先日、山のシューレ@二期倶楽部(那須)で初演し、再来年にはヨーロッパ公演を控える『イナンナの冥界下り』の東京公演です。
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【ワークショップ】
『イナンナの冥界下り』に関する以下のワークショップを8月から月に1回(原則)行います。各ジャンル、初心者の方も歓迎です。できれば全回出るのが望ましいですが、一回でもOKです。
これも詳細は追って。 ワークショップ:参加費 2,000円/1回

・能の謡と型(特にすり足) 講師:安田登
・発声と歌 講師:香西克章
・ダンスと柔軟 講師:蜜月稀葵
・シュメール語で読む『イナンナの冥界下り』 講師:高井啓介

さまざまなお問い合わせは「info@inana.tokyo.jp」までお願いいたします。 

山のシューレのプレ講座

『イナンナの冥界下り』は、2015年6月6日(土)の山のシューレ@那須で初演が行われます。

http://www.schuleimberg.com/

翌日の6月7日(日)には、この作品の上演を受けて「いとうせいこう」さんとシュメール語の「高井啓介」先生、そして安田による鼎談も行われます。

…で、そのための3回のプレ講座を開いているのですが、すでに 2回が終わりました。

詳細はこちらににあります

毎年、山のシューレのオープニングの舞台では作品を作っていて、そのためのプレ講座を千鳥が淵の「册」でしているのですが、マンションの規約で音が禁止になってしまったということで、今年はデザイナーの原研哉のご好意で「日本デザインセンター」と、資生堂の福原義春さんのご好意で「資生堂パーラー銀座本店」をお借りして行っています。

●一回目は「 プレ文字世界~女性による女性のための世界~」。

ゲストに、人形師の「百鬼ゆめひな」さんと、浪曲師の「玉川奈々福」さん、そしてチェロの「新井光子」さんにお出ましいただき、安田も参加して、人形と語りによる『雪女』を初演しました。小泉八雲の『雪女』をなるべく原文(英語)に忠実に、しかし全体の構成を能の構造に書き変えての上演でした。

●二回目は「世界中の「冥界下り」~古事記、ギリシャ神話、古代オリエント~」 。

ゲストはライアー奏者の「三野友子」さん。シュタイナー教育で生まれた竪琴ライアーと、三野さんの透明な歌声で会場には、音が鳴っているのに深い静謐が広がりました。

で、次回が三回目。「『心』のない時代のこころ」〜精神科医と『イナンナの冥界下り』を読む

5月14日(木)。@「日本デザインセンター」です。

ゲストは精神科医、大島淑夫さん。大島さんは天籟能(僕たちが主催している能の会)の事前ワークショップでも能『隅田川』に対して驚くべき読み解きを披露してくれました。彼の読み解きはいつもながら新鮮で深い。『イナンナの冥界下り』をどう読んでくれるのか楽しみです。

また、狂言の奥津健太郎さんもゲストでお招きして、シュメール語の『イナンナの冥界下り』が古典芸能の手法にかかるとどうなるのかを実演も交えてお話します。 

お申し込みはこちらからお願いします

 

『イナンナの冥界下り』のブログ

『イナンナの冥界下り』に関する、さまざまな雑感をブログに書いていきます。

これが溜まったら編集して、HPのエッセイの方にもまとめようと思っています。

…てなわけで、Twitterくらいの気楽さで書きますので、あまり細かいツッコミはしないでくださいね。