『イナンナの冥界下り』のあらすじを紹介します(吹き出しの中の言葉は、そこに書かれる楔形文字の現代語訳です)。
(1)冥界に心を向ける 天と地を統べる女神イナンナは、天から地へと 「その耳(心)」を向け、そして冥界へと向かう。 ※「心」を向けるというのをシュメール語では 「耳」を立てる、という表現を使います。 シュメールの神様は動物の上に乗っています。 そういえば仏様もそうですね。普賢菩薩の象とか…。 「耳」を向けるって、自分の乗る動物の耳を向けるのかも。 |
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(2)いろいろなものを捨てる 女神イナンナは、冥界に向かう時にいろいろ捨てる。 ※以下、捨てたものの一覧。 天と地、エンやラガル(ともに祭祀)の地位 エ・アンナ神殿(ウルク)、エ・ムシュ・カラマ神殿(バド・ティビラ) ギグナ神殿(ザバラム)、エ・シャラ神殿(アダブ) バラグ・ドゥル・ガラ神殿(ニップル)、フルサグ・カラマ神殿(キシュ) エ・ウルマシュ神殿(アッカド) |
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(3)7つの「メ(神力)」を身につける 代わりに7つの「メ(神力)」を身につけた(以下)。 (1)野で頭を守るかぶりもの、 (2)ラピスラズリのビーズ、 (3)2つの卵型のビーズ、 (4)女主人の衣装であるバラ、 (5)「男よ寄って来い、寄って来い」という名のコールと胸飾り、 (6)金の輪、 (7)測り棒と測り縄 |
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(4)大臣ニンシュブルに後を託す イナンナは従者である大臣ニンシュブルに 「三日三晩、冥界より戻らなければ 神々のとろこに行くように」 と申し渡した。 |
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