今回の天籟能の会は「刀剣」をテーマに、観世流の加藤眞悟師をはじめ諸師をお迎えして、能『小鍛冶』を上演いたします。
勅命を受けた刀匠・小鍛冶宗近が稲荷明神の使いである狐の精霊の相槌を得て、名剣「小狐丸」を打ち上げる、変化に富んだ見どころの多い人気曲です。
また、三世梅若万三郎師の仕舞『遊行柳』、刀を巡って人商人と田舎者が駆け引きを繰り広げる狂言『磁石』もお楽しみいただきます。
好評の事前ワークショップも、演目についての講座、能・狂言の基本はもちろん、日本刀を深く知るワークショップや、漫画『KATANA』の作者、かまたきみこ氏やアンソロジスト東雅夫氏をお迎えして、刀剣の怪異についてお話いただくなど、充実の内容でお送りします(日程は後記)。
飛び入り:いとうせいこう
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すると、不思議な老人(前シテ)が現れて言葉を交わします。老人は剣の威徳を称える中国や日本の故事を語り、自分が相鎚を勤めようと約束して稲荷山に消えて行った。
宗近が鍛冶壇に上がって礼拝をしていると稲荷明神のご神体(後シテ)が狐の精霊の姿で現れ、ともに剣を鍛え上げるのです。
『小鍛冶』の前シテは通常は童子ですが、白頭になると尉(老人)に、後シテが赤頭から白頭になり、スケールの大きな存在の霊狐になって、地謡、囃子は緩急をつけて奏します。
謡、型、舞ともに聞きどころ、見所の多い作品です。ワークショップでは、みなさんと謡を謡ったり、型をしてみたりします。
このすっぱ、実は人売りで宿の亭主もぐるでした。二人のやり取りを盗み聞きした遠江の男は逃げ出そうとしますが、すっぱに成り済ましてまんまと代金を手に入れます。事態はすぐに露見、すっぱは太刀を持って男を追い詰めます。万事休す、男は突然、太刀に向かって「呑もう~」。すっぱが何事かと問うと、男は磁石の精と名乗るのですが…。