イナンナの冥界下り

シュメール神話『イナンナの冥界下り』や天籟能の会のためのブログです。

2018年08月

協賛会員の方のための川崎昌平師の工房見学

天籟能の会のワークショップでもお世話になっている刀鍛冶、川崎昌平師の工房(道場)に、協賛会員のみなさまとお邪魔してきました。

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以下、撮影は金川晋呉さんです。


▼川崎昌平さんの銘

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川崎昌平さんの銘は「晶平之」。これは「作」を入れて「晶平之作」としたくなかったのと、3文字か5文字の素数にしたかったからとのこと。

▼刀を鑑賞する

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刃に照明を反射させてると、木目のような模様が見える。

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刀鑑賞の作法
①まず一礼。
②両手で茎(なかご)を持つ。 ※茎…柄に入れる部分
③右手で持って刀身を立て、天井の照明を使って全体の姿を観る。
④水平に持ち替え、照明を反射させて刃の表面を観る。
 表は元から切先(きっさき)に向かって、裏は切先から元に向かって観る。
ような模様。
⑥もう一度全体の姿を観る。
⑦枕に戻す。このとき棟(むね)側から着地させ、刃をそっと倒す。 ※棟…刀身の切れない側。

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参考画像 瀬戸内市のHP
http://www.city.setouchi.lg.jp/token/nihontonitsuite/1419498546744.html
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▼晶平鍛刀道場
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炎の温度は1200℃近くまで高温になる。炎と火の粉の色で適温を判断する。

▼「折り返し鍛錬」見学。
「折り返し鍛錬」は、刀を作るなかでもっとも時間のかかる作業。
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鋼を何度も折り返しながら鍛えることで、強度を増す。素材にもよるが、打つ、折り返すの作業を6~8回繰り返す。

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見学の際はひとりでの作業だったが、通常は向こう槌と呼ばれる相方と打つ。このとき、向こう槌は刀匠の合図に合わせて打つことから、「相槌を打つ」という言葉が生まれた。また、トンテンカン、トンテンカンとリズミカルに音が鳴るはずのところで、向こう槌が打ち損じると音が外れてトンチンカンになるとも。

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参加者の「相槌(向こう槌)」体験

赤松の炭を使用。赤松は火力があり軽くて扱いやすい。また、最後まで形が崩れない。
弟子入りして最初の仕事はひたすら炭を割ること。炭を割りながら師匠の仕事を見て覚える。

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隕石の塊のようなものは「ケラ」と呼ばれる製鉄から生まれた鉄の塊。砂鉄由来の鉄を鋼にする。

古道具(火縄銃の銃身とか)は鍛冶仕事に使う道具ではなく、刀の材料。溶かして「ズク」と呼ばれる鉄の塊を作る。

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▼試し切り
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天籟能の会の協賛会員へのご応募、お待ちしております。

詳しくは、こちらをご覧ください。
天籟能の会「協賛会員」のお願い

また、「天籟能の会」、チケットもまだございます。みなさまのご参加をお待ちしております。

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協賛会員の方のための少人数「刀剣ワークショップ」

先日、協賛会員の方のための少人数「刀剣ワークショップ」が開かれ、12名の協賛会員の方にご参加いただきました。講師は、天籟能の会のワークショップにもご登場いただいた刀匠の川崎昌平さんです。

会場を提供して下さったのは千鳥ヶ淵にある「册(さつ):知的に騒がしい-ギャラリー册」さんです。

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▼刀剣のレクチャー
最初は、刀を用いながらのレクチャーです。

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博物館などに行くと、このように刃を下にしている刀を上にしている刀がある。

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刃が下のものは、刀を腰から吊っていた(左)。主に馬上で使うためのもの。刃が上になると馬のお尻にぶつかってしまう。そして、銘もこの向きで打たれている。

刃が上のものは時代劇などでよく見るようなさし方をしていた(右)。刀がぶつかると問題が生じるので、人込みなどでは縦にしてさせるようにという工夫。
 
下向き 上向き

そのほかにもいろいろなお話がありました。

▼刀の鑑賞のしかた
そして、いよいよ刀の鑑賞の方法の伝授です。

全体を下から上、上から下に見て、それから灯りを刀身に当てて黒い地鉄に白い刃文のコントラストなどを見ます。

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▼参加者の方の鑑賞(1)
そのレクチャーを受け、おひとりおひとり全員が刀を手に取り、川崎昌平さんのアドバイスも受けながら刀の鑑賞方法を学びました。

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▼参加者の方の鑑賞(2)

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▼参加者の方の鑑賞(3)
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▼銘を切る:銘切りキーホルダーの作成
最後には、参加者の方のお名前の銘切りをし、進呈しました。

能『小鍛冶(こかじ)』では、表に「宗近」、裏に「小狐」と打ちます。銘がふたつある(ふたつ銘)の珍しい刀です。

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※なお、「銘切りキーホルダー」は協賛会員以外の方からのご注文もお受けすることができます。9月10日までにお申し込みいただければ、天籟能の会の当日に受付でお渡しいたします(ただし、人数が多い場合は当日までに待ちあわない場合もございます。その場合は、後日、郵送させていただきます)。
料金:2,000円(1枚)※2枚以上のご注文もお受けいたします。

noh@watowa.net

天籟能の会の協賛会員へのご応募、お待ちしております。

詳しくは、こちらをご覧ください。
天籟能の会「協賛会員」のお願い

また、「天籟能の会」、チケットもまだございます。みなさまのご参加をお待ちしております。

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天籟能の会:協賛会員のお願い

天籟能の会「協賛会員」のお願い


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いつも天籟(てんらい)能の会への格別のご支持、ありがとうございます。

さて、このたび天籟能の会では「協賛会員」を募集いたします。

能では、シテ方(主役)以外のワキ、狂言、囃子を「三役」と呼びます。天籟能の会は、三役が主催する会ですが、能の会はシテ方(主演)が主催することがほとんどです。それは、出演料の関係で、三役が主催すると赤字になるからです。

そんなわけで天籟能の会は、毎回、赤字です

そこで、「そんな天籟能の会を助けてやろうじゃないか」という奇特なご意思をお持ちの方に、協賛会員になっていただきたく、お願い申し上げる次第でございます。

詳細は以下になっております。お申込みをお待ち申し上げております。

 

******記******

天籟能の会 協賛会員

個人会員 1口 30,000円

法人会員 1口 50,000円

 

特典:

(1)特別席(S席)をご用意いたします

   ※他のお席をご希望の方は、差額を返金いたします。

   ※当日、公演にいらっしゃれない方は、協賛会員費からお席の価格を返金いたします

(2)特別ワークショップへのご参加

    以下のいずれかのワークショップにご参加いただけます

  (A)川崎晶平氏の刀剣ワークショップ(少人数)


  (B)川崎晶平氏の工房への見学ツアー(交通費は自己負担)


  (C)安田、奥津による能・狂言体験ワークショップ

   ※なお、上記は日程が合わない場合は、天籟能の会終了後でも参加可能です。
    開催日時は参加者の希望により調整いたします。

   ※特別ワークショップは東京周辺で開催されます。それ以外の方の場合はご相談に応じます。

(3)法人会員の方は、パンフレットに御社のお名前とロゴを記載いたします


(4)天籟能グッズ(『小鍛冶』ポストカード)の進呈

   ※中川学画伯の『小鍛冶』のイラストのポストカードを進呈いたします。

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お申込みは以下にお願いいたします。みなさまのご支援、ご協賛をお待ちしております。

 また、そのほか個別のご相談にも応じますのでお気軽にご連絡をいただければと存じます。


 noh@watowa.net

天籟能の会