イナンナの冥界下り

シュメール神話『イナンナの冥界下り』を上演するための雑感を書くブログです。

2015年08月

能楽ワークショップ第1回

yasuda
安田登

ラグビーW杯元日本代表の
平尾剛さんをお招きしての能楽ワークショップ第一回が8月30日(日)中根一丁目会議室(目黒区)にて開かれました。

今回のテキスト(PDFにしたのでレイアウトがちょっとずれています)
 (A)基本テキスト、(B)『イナンナの冥界下り』を謡う 

第一部 13:30~15:30 能楽WS
第二部 16:00~18:00 対談(平尾×奈々福×安田)

参加された方は47名(うち2名は玉川奈々福さんと蜜月稀葵さんという身内)。

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<第一部>能楽ワークショップ

・『イナンナの冥界下り』について
現在、確認し得る最古の文字言語で書かれた『イナンナの冥界下り』は、エンターテインメントというよりは、祀りの場(にわ)で上演された神聖祝祭劇ともいうべきものであったと思われます。それを上演するには祝祭の身体を多く残す能楽が適している。

そして、このワークショップは「見せる能」というよりは、そのような祝祭の身体、あるいは神聖の身体を目覚めさせようというものです。

・呼吸についての話
「呼吸・息」についていろいろと話し合い
呼吸筋の話

・[エクササイズ]背中に呼吸を入れる

・[エクササイズ]菱形筋をゆるめる
背中に呼吸を入れやすくするために背中の筋肉である「菱形(りょうけい)筋」をゆるめる
菱形筋

・[エクササイズ]仙骨の動きを引き出す 
眠りに誘う、ほっこりエクササイズ。

・[エクササイズ]小胸筋をゆるめる
肋骨の動きの制限を取るために小胸筋をゆるめる
小胸筋ill
これって難しいエクササイズなのですが、みなさん上手でした。


●『鶴亀』を謡う
「声を作る」ために、自分の出しやすい声ではなく、そのひとつ上の声で「張って」謡う。すごく大きな声が出ました。びっくり!

テキストを見ずに、ホワイトボードの詞章を見て謡う。

それ青陽の春になれば。四季の節会のことはじめ
※宿題:次回までにこれを覚えてくる

●すり足
今回は解剖云々の話はせずに、ただやってみる。
 ・かかとを床につけたまま歩く
 ・膝は軽くゆるめる
 ・まっすぐ前を見たまま

●向きを変える
体を貫く「軸」をイメージして、その軸を回転させるように向きを変える

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<第二部>鼎談

平尾剛さんと安田との対談の予定でしたが、玉川奈々福さんがワークショップに参加されるということで、始まる直前に「奈々福さん、司会をお願いできませんか」とに無茶ぶりをして、さらには司会どころか三つ巴の鼎談と急遽、相成りました。

わいわいととても楽しい鼎談で、それをここに書いていくとすごく長くなってしまうので控えますが、特に面白かった、というかすごかったのが「パス」についての話。

「幼稚園ラグビー(というのがあるらしいんです)」ではパスをしない、という話から…

・「物を投げる」という行為と呼吸の話

・「次の行為のために投げる」、そして「それを汲んで受ける」という行為と洞窟壁画のネガティブハンドの話

…などという話につながり、「これは研究をしたいですね」という話になりました。

すみません。何を言っているのか全然わかりませんね。

いろいろひと段落したらまとめます。本当にこれは研究したら面白そうなんです。 

・[イナンナ]『イナンナの冥界下り』の冒頭部分を謡う

最後にみなさんとシュメール語で謡を謡ってお開きとなりました。

第1回 発声ワークショップ 終了! ( 香西 克章 )

  満員御礼!25名の参加者の方々と、豊かな時を持つことが出来たように思います。感謝致します。
kouzaiws

  コンセプトは、イナンナプロジェクトにふさわしく、異界を希求し、繋ぐ声!
   現代の持つ痛みの多くは。大切なものが、見えなく、聞こえなくなっていることに起因しているのではないでしょうか。

   声は、私から離れ、安田先生の仰る”誠 ” が身体に満ちた時に、声に成る!  心でなく、”おもい” から溢れた時に解放された声が、本当の声がうまれるのではないか。と、いうお話しをさせて頂きました。

  私が現在、色々なボディワークから触発され考える発声は、鍛え上げビルドアップしていく事ではなく、いかに何もしないか!することをやめて、しないことを選択し、ゆっくり成っていくを待つことにあります。けれど、本当は全てをしているんです!何もしないのではなく、目に見えない”おもい”や自らの身体に、静かに豊かに、身体の深部から気づく事が大切です。これはとても難しい事です。一生を費やしても足りないかもしれません。が、私たちにとても重要です。

  で、身体を楽の器にするために、まず自分の本来のスケールを取り戻す、立膝で横たわるワークを念入りに致しました。わたしは、このワーク後に起こる変化が大好きです。当日も、効果絶大!お風呂あがりのようなスッキリした顔!目が緩み開き、鼻がさわやかに通り、呼吸が豊かに戻り、本来の自分のスケールルがもどりました。このワークは、重力から自由になれる素敵なワークで、強く皆さんにお勧めいたしました。

  頭、首、背中、横隔膜、顎関節などのお話をし、呼吸の方向性と脊椎の説明、発声につながる、ささやく発声、5つの母音での発声!あらあら、凄いレゾナンスの解放された声が!皆さん凄いです。

  最後に、1500前のグレゴリオ聖歌のKyrieの3つのフレーズを歌いました。
 地下教会のような力強い祈りのグレゴリオ聖歌が立ち上がりました!聖なる音!

   来年の2月まで、月一度、7回致します!復習しながら参ります。いらっしゃれなかった方も、どうぞいらして下さいませ!
 
  全7回のワークショップで、全身の気づきへ導くものです!声が変われば、世界が変わります!お楽しみに!

奈々福の”ガチンコ”浪曲講座第一回(玉川奈々福)

奈々福の“ガチンコ”浪曲講座第一回、無事終了いたしました。

 

ご参加29名さま。

ほんとうは20名で締切予定だったのですが、「どうしても……!」と言われると、断れず、30名近くの方々に、どれだけ懇切にお教えできるかなあと迷いつつ、お受けしました。

 

カメリアプラザの、畳敷きの広い和室はWSにとても向いています。のびのびと気持ちいい。

 

奈々福の講座を以前から受けておられた方、はじめての方、イナンナおよび安田先生のほうの関連から興味を持って申し込まれた方……と、参加者の方々の、ご縁も動機もさまざま。女性のほうが多めでした。

 

なんと。

浪曲の実演を聞いたことがないけれど、申し込んだという方もおられて。

学ぶ上で、いちおう、目当てとなる芸の姿を見てもらわずには、まずかろうと。

浪曲は一人で演じる芸ではありません。三味線との二人芸です。

当初予定のなかった実演をやることとし、曲師の名人・沢村豊子師匠にお願いし、演台+テーブル掛けを用意し、一席実演をいたしました。

演じたのは、古典浪曲「小田原の猫餅」。

「アンタ、なにやるんだい?」……豊子師匠とは事前の打ち合わせ一切なしです。

つまりは、浪曲という芸は、譜面もない中で二人で互いの音に反応しあって、自由に進んでいくさまを見ていただきたかったんです。

節(歌うような部分)と、啖呵(説明や会話の部分)で織りなしていく浪曲。

もちろん、私たちの体の中には、先達から学んださまざまな節の形、さまざまな啖呵の呼吸、英語にたとえれば“イディオム”のようなものが数々叩き込まれています。

ただ、それをどの場面でどのように繰り出していくかは、演者の感性に従って、自由。

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 一席のあとは、邦楽における浪曲の位置づけ、また日本の語りものにおける浪曲の位置づけのようなお話を……ここのところは専門家ではないので、あくまでも実演者としての思いを交えつつ、ざっくりとお話をしました。

底辺から生まれた芸であるからこその、身体性の強さ、自由さ。

それを私自身が誇りに思っていること。

 

さあ、ここから本当のWSです。

皆さんには、啖呵のお稽古からはじめていただきました。

短いフレーズですが、それを、一音一音粒立てて、一息で、音の高低、波を考えながらコントロールしていくのは、実は簡単なことではない。

roh01b
 

 お一人お一人にやっていただいたあと、課題である、5分浪曲の見本演技。

 

そしてまた、啖呵の稽古。ちょっとお稽古しただけで見違えるようにみなさんできるように!

 

二時間、あっという間でしたねー。

しかし、みなさん、何か心得のあるような方が多かったような。

声を出すことに躊躇がない。しっかりお腹から声が出る人多数。

先が楽しみです。

 

受講者さんにひとこと伝言。

一席でも多く実演の浪曲を見ていただきたいです。

まずは、昨日の現場、カメリアホールで912日に行われる、私の公演の中でも最もエンターテイメント性の高い初心者向け公演「浪曲タイフーン!」を、極力見に来てください。

夜露死苦!!!

シュメール語ワークショップ第一回:イナンナプロジェクト

皆さん、お待たせしました~。

高井啓介先生による、シュメール語のワークショップ、第一回目の日程が決まりました。こちらは来月(9月)ですのでお間違えのないように。 

******記******

シュメール語で読む『イナンナの冥界下り』
講師 髙井啓介(たかい・けいすけ)
参加希望・お問い合わせは→info@watowa.net(和と輪)へ

日時:9月28日(月) 19:00~

基準受講料:2,000円(これは基準金額で実際にはお賽銭方式になります。お賽銭箱に2,000円を基準にしてお好きな金額をお入れください) 
費用(初回のみ):
500円『イナンナの冥界下り』のシュメール語台本、単語帳、文法ノート、油粘土、ペンをお配りします。 
 
会場:未定(参加人数が決まった時点でお知らせします)

高井先生よりのメッセージです。
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一回目は,シュメール語とシュメール文化入門編です。
文字を粘土板に刻みます。
なぜ文字を粘土の上に書いたのか,その文字はなぜ楔形文字だったのか。
その文字はどういうタイプの文字で,どのように読まれたのか。
そこから考えていきたいです。
そしてシュメールの楔形文字で書かれた文章を読む簡単なこつをまずご説明しましょう。
イナンナと冥界についてもちょこっと考えてみます。

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二回目以降は,メインの登場人物を順番に紹介していきます。
そしてその登場人物の台詞をいくつか選び,
シュメール語でその意味を理解できるように,
そしてシュメール語でその台詞を語れるようにしていきたいと思います。
本番で使われる台本から台詞をお借りすることになります。
もちろん文字を粘土に書くことは毎回続けていく予定です。

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あまり細かいところにこだわらず
それでもいつの間にかシュメール語がそれなりにわかるように読めるようになるはず。
そして舞台で使われるシュメール語もかなり理解できるようになることでしょう。

気楽にシュメール語と『イナンナ』の素敵な世界を楽しんでいきましょう。
どうぞよろしくお願いいたします。
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ご参加、お待ちしておりま~す(って、あまり多いと部屋に入れませんが)。 


イナンナプロジェクト・能楽ワークショップ第一回

イナンナプロジェクトのワークショップ。能楽の第一回が決まりました。能楽のワークショップへの参加希望のメールをいただいた方と「てんらい」会員の方にはお知らせしましたが、今回は特別ワークショップで、あと10名くらいの参加が可能なのでブログでもお知らせします。すみません。いっぱいになってしまいました

今回のワークショップは二部構成です。

第1部:能楽ワークショップ(謡、すり足、身体技法など)
第2部:平尾剛さんをお招きしての対談

平尾剛さんはラグビーの元・日本代表で、現在は神戸親和女子大学発達教育学部ジュニアスポーツ教育学科講師をされています。

ご著書の『近くて遠いこの身体(ミシマ社)』は、 身体に興味のある方、必読の名著です。特に「身体に興味はあるけど運動きらい!」という方と、あとすべての体育の先生に読んでほしい。

…というわけで、ワークショップの参加希望のメールをいただいた方に送ったお知らを以下に載せます。今回は狭い会場ですので1部、2部ともに参加できる方限定です(平尾さんのお話だけ聞きたいという人はダメ~)。

参加をされる方は info@watowa.net へ。定員になり次第、締め切りをいたします(定員に達しました。ありがとうございます)。

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Subject: 第一回 能楽WSのお知らせ
こんにちは、能の安田です。

これはイナンナプロジェクト能楽ワークショップあてにご連絡いただいた皆様に送らせていただいております。

大変、お待たせして申し訳ございませんでした。第一回ワークショップの日程と詳細が決まりました。

第一回目は8月30日(日)に「特別ワークショップ」として、元ラグビー日本代表の"平尾剛"さんをお招きして下記のように行います。

平尾剛とは内田樹さんと鼎談をしてからのご縁で、それから仲良くさせていただいております。

平尾さんには『近くて遠いこの身体(ミシマ社)』のご著書があります。運動好きはもちろんのこと…というか、本当は運動・スポーツ嫌いの方にこそ読んでほしい本です。そして、何よりも体育の先生に!

今回は前半に安田のワークショップを2時間ほどして、そのあと平尾さんと安田との対談をします。

参加をされる方は info@watowa.net にご連絡ください。この情報は、ご連絡下さった方(35名)のみに送らせておりますが、来週の月曜(10日)以降は一般にも公開します。ご希望数が50名を超えた時点で締め切らせていただきますので、お早めの参加のご表明をお願いします。

で、お知らせの前に毎回に共通するお話をさせていただきます。

●受講料について
このワークショップの受講料は「基準受講料」という形に行います。

これは「一応その金額が受講料の基準です」というもので、基準なのでそれ以上でもそれ以下でも(言ってしまえばゼロでも)かまいません、というものです。受講料も振込や当日清算ではなく、受講料箱を置いておきますのでどうぞご自由にお入れいただければと存じます。

なお、ふだんのワークショップの基準受講料は「2,000円」ですが、今回のみはゲストの平尾剛さんがいらしゃいますので「4,000円」にします(あくまでも基準です)。

●持ち物
お持ちの方は「足袋」と「扇」をご持参ください。お持ちでない方はあえて購入する必要はありませんが、足袋は一足くらいあってもいいかも知れないので、この機会によろしければどうぞ。

なお、裸足よりは靴下の方がいいです。ストッキングは破れる可能性があるのでご注意を。

なおテキストはコピーを用意しますが、せっかくなので「謡本(うたいぼん)」がほしいという方は最初のワークショップのときにお伝えください。注文をします(1,500円)。

●内容
今年は7回をひとつの目安にして「声」と「すり足」を中心に行います。

「謡(うたい)」・「すり足」・「ロルフィング」が柱です。

なお、これは大事なことですが「イナンナプロジェクト」ですので、シュメール語の謡の稽古もします。「能の謡の稽古かと思ったらシュメール語もやらされた」と文句を言わぬように。むろん能の謡もしますが。

●深さ
ロルフィング的なアプローチのときには、床に横になったり、お互いにお互いの筋肉に触れたりもしたいと思います。「そんなのイヤだ」という人がいたらやりませんが、せっかくなので、できるだけディープにいきたいですね。

どのくらいディープなワークショップになるかは参加者の皆さまのノリで決めたいと思います。ですから能の稽古に参加するというよりは「ボディワークのワークショップに参加する」くらいのつもりでお出ましいただければと思います。

●出欠
全7回、すべて出席をしなければならないというわけではございません。が、毎回の出欠はお知らせいただければと思います。また、当日の急な欠席もお知らせください。

では、最初の回のお知らせを。8月30日(日)です。

**********記**********

「能楽の謡と動き~神聖なる身体に目覚める~」
第1回:呼吸(1)和の呼吸の基本、立つ、『鶴亀』を謡う(1)

日時:8月30日(日)
   第一部 13:30~15:30 能楽WS
   第二部 16:00~18:00 対談(平尾×安田)

基準受講料:4,000円(上記参照)

講 師:安田 登
ゲスト:平尾剛さん(ラグビーW杯元日本代表、神戸親和女子大学発達教育学部ジュニアスポーツ教育学科講師)

会場:「中根一丁目会議室」
   目黒区中根一丁目10番22号(最寄り駅「都立大学」東横線 徒歩6分)

★参加をされる方は info@watowa.net にご連絡ください。この情報は、ご連絡下さった方(35名)のみに送らせておりますが、来週の月曜(10日)以降は一般にも公開します。ご希望数が50名を超えた時点で締め切らせていただきますので、お早めの参加のご表明をお願いします。

★こちらもご参照ください。
http://inanna.blog.jp/archives/1035296599.html

 安田登拝

ダンスワークショップ第一回 

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『イナンナの冥界下り』でイナンナ役をされる蜜月稀葵(みづき・まれあ)さんによるイナンナプロジェクトの「ダンスワークショップ」の第1回目が8月15日(土)、銀座のカマレホウジュの稽古場で行われました。

お盆の真っ最中で、ちょっと参加者が少なめ、というお話でしたが、それでも9名(女性6、男性3)の方をお迎えして、19:30から21:00までの、あっという間の楽しい90分のワークショップでした。

今回のテーマは「呼吸から動く身体。吊られる身体。落ちる身体」。

第一回目ということでレクチャーの時間もたんさんありました。

以下、見学として参加した安田がワークショップの概略をまとめます(稀葵さんからメモもいただきました)。また、写真はダンサーのあゆみちゃんが撮ってくれたもので、参加者の方には事前に掲載・公開の許可を取ってあります。

●「器になる」

稀葵さんは普段は感情を表現する踊りをされることが多いのですが、『イナンナの冥界下り』の時代は、まだ「心」というものが確立されていない時代なので「感情を表現しないように」と僕(安田)が再三お願いしています。

で、今回のワークショップのテーマもそちらになりました。

すなわち感情を表現するのではなく「器になる」ダンス

自分自身は器になり、風や木々や音や、そのようなものが体を流れていくことによって自然に体が動いて、結果ダンスになる、そのような身体性に目覚めることがこのダンスワークショップのテーマになるとのことです。

おお、高度なことを要求する…。

●古い織物の糸を丁寧にほどいてもう一度織りなおす作業
 
『イナンナの冥界下り』の話のあと、今回のイナンナ役としてのダンスを作る作業は「古い織物の糸を丁寧にほどいてもう一度織りなおす作業」であるということ稀葵さんがお話されました。

「心がないのに踊りがある」ということはどういうことなのか。しかも与えられたのは5,000年くらい前のシュメール語のテキスト。このままではダンスにはならない。

そこで、その一次資料であるシュメール語のテキスト=「古い織物」の糸をまずほどきます。ただし、適当にほどくと壊れてしまうかも知れない。だから「丁寧」に、ゆっくりとほどきます。

でも、そのままではダンスにならない。それをダンスとして出現させるためには、今度は、やはり「丁寧」に織りなおさなければならない。

それが『イナンナ』のダンスを作るという作業です。この再現作業を皆さんとともに共有してみたいというのが今回のワークショップなのです…というお話。

…おお、ますます、高度。

●呼吸から始まる手の動き

で、最初に意識したのは「呼吸」

深い呼吸をすると自然に胸が動く。胸が動けば(かすかだけれども)腕の付け根が動く。その動きをちょっと大きくしてみる。

すると腕が動く。かすかなダンスが始まる。「サトル(subtle)・ダンス」です。ダンスといっても何かを表現しようはしていない。呼吸によって自然に体が動く、そういうダンスです。

遠くで鳴る太鼓の音の中で静かに呼吸をしながら、自分の体を器にすることの第一歩でした。

「重力」を感じながら上に導かれる手

次のキーワードは「重力」。地球上に偏在する重力。

最初は、その重力に逆らって、というかその重力を意識して手を上に上げる動きです。でも、これも「上げる」ではなく、下への重力に引かれながら、その作用・反作用によって腕が上に「上がっていく」んです。

見学していると、ここら辺になると、これを感じるためには、感受性の開発とともに、肩甲骨周辺の柔らかさも大切だなぁ、なんて思ってしました。そういう体操的なことは次回以降にされるそうです。

重力とのサスペンション
 
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次はその動きを「横」にしていく。これも重力を感じながらするのですが、これはなかなか難しいのでペアでします。手の先に紐がついているつもりで、ペアの人がそれをくるくる巻く。それに引かれるように手が伸びていきます。

それでも「重力」を意識することは忘れずに。

重力そのままに落ちる手

次も重力ですが、今回は重力に逆らわずに、ただそのまま「手が落ちる」ということをします。

これが簡単そうでなかなか難しい。腕、手が「器」になっていないと、ストンと落ちなかったり、落ちたあとに停止してしまったりしちゃう。ストンと落ちてぶらんぶらん。

これもペアでしました。天から伸びている糸に引かれるように手を挙げていき、もうひとりが見えない糸をプチンと切る。するとストン、ぶらぶら~ん。

音に共鳴して導かれる手
 
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そしてまとめとして「音」に引かれて、これらの動きをするレッスンをしました。

ダフ(太鼓)の方を向き、ダフの音に引かれて手が伸びていく。「音」に躍らされる身体を作るための第一歩ですね。これができるようになると、とても気持ちがいいです。

●八木重吉の詩より
 
ワークショップの最後に、若松英輔さんのところで稀葵さんが学んだという八木重吉の詩が紹介されました。

著作権の問題もあるので、ここでの転載は避けますが、「素朴」であるという事の大切さ、そして「美しさに耐えかねて動く」手、そのようなことができたときに「器」としての身体ができるのではないかというお話でした。
 
このあと、安田がちょっとお話したりして終了しました~。

そして、なんと「お茶」と「お菓子」が用意されていて(こういうところは僕のWSでは絶対に気が回らないなぁ)、参加された皆さんとのお茶会になりました。

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参加された皆様、稀葵さん、ありがとうございました。

★稀葵さん、間違いがあったらご指摘ください。ブログなので簡単に直せま~す。

●次回以降

今回参加されなかった方でも次回の参加は可能ですのでどうぞ~。あ、次回はいつだっけ?あとでまた書きます。ダンスのワークショップのこれからの流れやお申込についてはこちらでお願いします。

ワークショップについて

また、これから行われる他のワークショップの予定です。

8月27日(木)発声ワークショップ
8月28日(金)ガチンコ浪曲講座満席
8月30日(日)能楽ワークショップ満席
9月28日(月)シュメール語ワークショップ(来月なのでご注意を!)
 (文責:安田登) 


 

★てんらいメルマガ第一号★

メルマガ「てんらい」第一号(文責:玉川奈々福)

 

 立秋が過ぎたものの、亜熱帯的蒸し暑さが続いております。

 てんらい会員の皆様には、お元気でお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?

 

82日の「能と浪曲とチェロでつづる怖くない怪談 耳なし芳一」(於:雑司ヶ谷本浄寺)、そして3日の「怪談が結ぶふたりの文豪~小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と夏目漱石~」(於:銀座・日本デザインセンター)が無事終了いたしました。猛暑の中、お運び頂きました方々に心よりお礼申し上げます。

 この二公演は、「イナンナプロジェクト」の一環で、能と浪曲と人形などのコラボレーションを、より完成度の高い、洗練されたものとするために、また伝統芸能のコラボレーションを、より多くの方々に見ていただくために企画したものです。

 台本はありますが、譜面や、段取りの打ち合わせなどはほとんどありません。

 日本の伝統芸能に携わる者は、相手の息や間合を感じながら、それに自分の体が反応していく、という技法を身に着けています。なので、その場その場の即興で音をつけたり、間合いをとったりしています。

 わたくし自身、「夢十夜」も「耳なし芳一」も、何度もやらせていただいておりますが、三味線については、譜面を一切とっておりませんので、前回自分がどう弾いたか、まったく覚えておりません。毎度、体が反応するままに弾いております。同じ演目でも毎回違う、そんな面白さを見る側の方々にも感じていただければと思っております。

 さて、これから「チーム・イナンナ」はいよいよ、1113日の、東京初演(於:セルリアンタワー能楽堂)にむけて始動します。

 お蔭様でご予約を早々に賜り、昼夜満席、キャンセル待ちになっております。

追って、2月公演、4月公演の情報も公開したく思っております。

 

その前に、イナンナプロジェクトの次なる弾は……! 今月より開催する多彩なワークショップです。これは、この企画の出演者たちも、互いの芸能の身体技法を学びあい、また、お客様にもさまざまな芸能の身体技法を学んでいただくことで、「伝統的身体」への理解を深めていただくために開催するものです。

 開催するワークショップは、以下の講座です。

 

●「能楽の謡と動き~神聖なる身体に目覚める~」

 講師:安田 登(やすだ・のぼる)

第一回 8月30日(日)1330

http://inanna.blog.jp/archives/1035296599.html

 

●「ダンスと柔らかいからだ~太古の動きを音から探る~」

 講師:蜜月稀葵(みづき・まれあ)

第一回 8月15日(土)@1930~銀座・カマレホウジュ

http://blog.livedoor.jp/jyako0305

 

●「発声講座  心と身体を結び、時空を超える声を!―合わせて7000年前の歌とともに!」

 講師:香西克章(こうざい・かつあき)

第一回 8月27日(木)19:0021:30@恵比寿・三田フレンズ 地下1階 2音楽室

http://inanna.blog.jp/archives/1036527564.html

 

●奈々福のガチンコ浪曲講座forイナンナの冥界くだり

――語り芸の王者・浪曲に隠された数々のテクニックをこの際、伝授――

 講師:玉川奈々福(たまがわ・ななふく)

第一回 8月28日(金)1900~@亀戸駅前 カメリアプラザ6F和室

http://inanna.blog.jp/archives/1035324896.html

 

●シュメール語で読む『イナンナの冥界下り』

 講師:高井啓介(たかい・けいすけ)

http://inanna.blog.jp/archives/1035563456.html

(日程は詳細未定)

 

 詳細未定のものは、決まり次第、こちらのblogで随時発表いたします。

http://inanna.blog.jp/

 

また、「てんらい」の会員も、随時募集しております。現在の会員数は67名様にお入りいただいております。今年度中のNPO法人化にむけて頑張っております。

http://inanna.blog.jp/archives/1033520801.html

 

 『イナンナの冥界下り』初演は、今年6月、那須の二期倶楽部においてでしたが、セルリアンタワー能楽堂は、場所柄も、舞台のつくりも違いますので、音楽、踊り、すべての面で、初演どおりにはなりません。また、小公演を通して、コラボレーションスキルもアップしていきます。公演ごとにバージョンアップしていくのをぜひとも追いかけてごらんいただきたく思っております。

 

【エッセイ】能面を打つ

奥津 健太郎

能面は日本の伝統芸能「能」で主にシテ(主役)が用いる仮面です。能役者は敬意を込めて「面(おもて)」と呼びます。また、面を制作すること、あるいは制作する人のことを「面打(めんうち)」といいます。

狂言の舞台を勤めながら面を打って十数年。能や狂言、面打の世界では「四十、五十は鼻垂小僧」といわれ、おこがましいのですが、面について感じたり、思ったりしたことを書いてみたいと思います。

「能面のような顔」―残念ながら能面は「無表情」の代名詞になってしまっています。確かに面は木彫ですから表情は動きません。殊に若い女面は鬼の面などと比べて凹凸が少なく、一見無表情にも見えます。しかし、能役者の顔に掛けられて舞台に出た面は驚くほど生き生きとして表情を変え、観客に様々な想いを語りかけてきます。

面を打つとき、生きた表情のために大切にしていることがあります。それは、面打の師の教えでもある「理に適う」ということです。私たちの顔には皮膚があります。その下には筋肉があり、その奥には頭蓋骨があります。これが大原則です。優れた面は、美しい女面でも恐ろしい鬼の面でもこの原則に従っています。頬の出っ張りは、僅かの狂いもなく頬骨のあるところに作られています。皺もただあるのではなく、表情筋の流れに沿って刻まれているのです。

良い面は舞台ではもちろん、面を打つときにも様々なことを教えてくれます。面打は多くを語ってくれる優れた古面に教えを乞い、導きを受けて新たな面を生み出します。能面と対話を重ね、その表情の秘密を探ることは大きな喜びです。対話が進まず、辛く苦しい時が続くこともしばしばですが・・・。

(おくつけんたろう 狂言役者・「てんらい」事務局長・『イナンナの冥界下り』ネティ役)

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発声ワークショップ:第一回目

指揮者で、コルネット奏者でもある(そしてイナンナではコロスのリーダー)の香西さんによる発声ワークショップ、の第一回の日程、および会場が決まりました。

申込みをされなかった方もお問い合わせを~!
連絡先:katsuaki-1963-g.gould@i.softbank.jp

「発声講座 心と身体を結び、時空を超える声を!
      ー合わせて7000年前の歌とともに!ー」

講師:香西克章(こうざい・かつあき)

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第一回:発声ワークショップ
大変お待たせ致しましたが、詳細について以下のように決まりました。よろしくお願い致します。

○日時:2015年8月27日(木)19:00〜21:30
○場所:三田フレンズ 地下1階 第2音楽室(JR恵比寿駅より徒歩10分:アクセス方法は下記参照)
○受講料:2500円 
※仰向けに寝転んだり致しますので、動きやすい服装でお願い致します(スカートは不可。)コミック本などの厚さの本を2〜3冊。ヨガマットやタオルなど敷物をお持ち下さっても結構です。

皆さまとお会いでき、声と身体の新たな発見の時間が持てますことを楽しみにしております。
                                             香西 克章 
 ************
講座の概要等: 
本当に、よく響く音量・音質を持つ声は、Requiem(鎮魂歌=礼楽) のように、死者の世界にも届く声でしょう。人と人、人と世界を結ぶ声も、私達の心と身体のつながりの中からやって来ます!
 
心と身体、身体の部分と全体を色々なボディーワークの手法を用い、つなげることで、深層からの声を7回の講座で導こうとするものです!
 
1500年前のグレゴリオ聖歌と5500年前のシュメール語の歌 合わせて7000年前の歌を通して学びます!

予定 第一回:身体を知り、身体をゆるめ、呼吸を取り戻し、本来の身体を手に入れよう!
第二回:頭 首 (目 鼻 口 耳 顎 舌 喉) の使い方を考えます。
第三回:体幹(胸 背中 腰 肺 横隔膜 骨盤底筋群 腹筋群 大腰筋などに、焦点をあてます。
第四回:腕の使い方を考えます。(腕の筋肉は、喉の使い方に関わりがあります)
第五回:足の使い方を考えます。足は、横隔膜と繋がり、呼吸に深いつながりがあります。)
第六回:第一回から第五回までの部分と全体性を考え、もう一度呼吸に帰ります。
第七回:総まとめ!
備考 特になし
  

人形、能、浪曲公演、無事に終了しました

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(安田登)

昨日(8月3日)、行われました『怪談が結ぶふたりの文豪~小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と夏目漱石~」人形、能、浪曲公演、盛況のうちに無事終了いたしました。

お出ましいただきました皆さま、ありがとうございます。

当日清算の方が多いし、この暑さの中、どのくらいの方が実際に足をお運びいただけるだろうかとちょっと心配をしておりましたが (僕だったらメゲそう…)、100席限定で、なんと96人のお客様にお出ましいただきました。

本当にありがとうございます。

昨日の演目は…

『雪女(小泉八雲)』(飯田美千香、安田登、玉川奈々福、槻宅聡)

「第三夜」『夢十夜(夏目漱石)』より(安田、奈々福、槻宅) 

『持田の百姓(小泉八雲)』(奈々福) 

『吾輩は猫である』(餅の段)(安田、奈々福、槻宅)

「第一夜」『夢十夜(夏目漱石)』より(美千香、安田、奈々福、槻宅) 

…でした。 

『吾輩は猫である』には、奈々福さんは参加しない予定だったのですが、突然(演じる直前)に「奈々福さんも参加して~」とお願いして即興で参加していただきました。ジャズのようなセッションです。 

11月には『イナンナの冥界下り』の公演もございます。

ワークショップもそろそろ始まります。

どうぞ、ふるってご参加、お願い申し上げます。

 安田登 

『イナンナの冥界下り』第一回東京公演 11月13日(金)

『イナンナの冥界下り』第一回東京公演 決まりました!
2015年11月13日(金)
昼公演:14:30開演
夜公演:19:00開演 
ありがとうございます。公演は昼・夜ともに満席になりました。キャンセル待ちはお受けいたしております
※開場はともに45分前

会 場:セルリアンタワー能楽堂 場所はこちらで→セルリアンタワー能楽堂HP
料 金:5,000円(てんらい会員4,000円→てんらい会員について
     ※指定をご希望の方はプラス1,000円

お申込はこちらのページもご利用ください→こくちーず
お申込・お問い合わせはこちらにお願いいたします→event@inana.tokyo.jp
 
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紀元前三五〇〇年ごろに起こったといわれている、世界最古の都市文明と言われている古代メソポタミアのシュメール文明。そのシュメールの楔形文字で記された現存最古の神話のひとつ「イナンナの冥界下り」を、シュメール語を用いて、能楽を軸に上演する世界初の試みがイナンナプロジェクトです。
 
その東京公演が決まりました。第一回東京公演は能楽堂(セルリアンタワー能楽堂)です。

本プロジェクトはアーツカウンシル東京の助成を得て、2017年度に欧州公演を行うことが決まりました。シュメールの遺物を最も多く収蔵する、イギリスの大英博物館、フランスのルーブル美術館、加えてリトアニアでの公演を目指しています。

ジャンル、地域、言語、そして時間を超えた世界初のプロジェクトが始動しています。みなさまどうぞご参加ください。

<あらすじ>
ビジュアル版はこちらもどうぞ→テキトー版ですが… 
天と地を統治していた女神イナンナは、ある日冥界へと心を向ける。彼女は全てを捨て、代わりに七つの「メ(神力)」を身に付けて冥界へ向かう。

しかし冥界は「帰らざる国(行きて帰らぬ国)」。一度足を踏み入れたものは生きて帰ることはできない。イナンナは大臣ニンシュブルを呼び、「三日三晩、私が戻らなければ神々を訪れ、泣いて助けを求めよ」と命令し冥界に向かう。

冥界に到着したイナンナは冥界の門番ネティに取り次ぎを頼む。冥界の女王エレシュキガルはネティに命じる。「冥界の七つの門全てを閉じ、イナンナ自らに開けさせよ。そして、ひとつの門を通るごとにメを引き剥がすように」と。

イナンナは七つの門で七つのメと衣服を剥がされ、エレシュキガルと七人の裁判官の〔死の眼〕で   〔弱い肉〕となり、釘に吊り下げられる。するとその時、  なぜかエレシュキガルも病に倒れる。

三日三晩、イナンナは戻らず、ニンシュブルは約束通り神々に助けを求めたが、自分勝手に冥界に向かったイナンナに神々は冷たい。しかし、最後に訪ねた大神エンキは自分の爪からクルガラ、ガラトゥルという二体の精霊を作り、彼らに  「命の草」と「命の水」を与えた。
そして、エレシュキガルの元に行き、彼女の心を開いてイナンナの死体をもらい受け、「命の草」と「命の水」で生き返らせよと命じる。

その通りにした彼らの力で、エレシュキガルもイナンナもよみがえる。

チケットのお申込はこちらのページもご利用ください
→こくちーず
お申込・お問い合わせはこちらにお願いいたします→event@inana.tokyo.jp 

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イナンナプロジェクトは、平成27年度東京芸術文化創造発信助成(長期助成プログラム)の事業として、アーツカウンシル東京の助成を受けて実施いたします。再来年度の欧州公演を目指し、東京都での何度かの公演、各種ワークショップなどを繰り返しつつ、より完成された形を作り上げていきます。変容の過程もお楽しみください