高井啓介先生よるシュメール語ワークショップの第2回目が10月26日(月)に東方会館で開かれました。お花の塚田有一さんのリム・グリーンが入っている神保町の素敵な建物です。

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参加者36名。東方会館の会議室がぎゅうぎゅうでした。 シュメール語の講座にこんなに人が集まるのって、考えてみると不思議です。これほど「実用的ではない(失礼)」講座もちょっとないのに(笑)。

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前回はイントロでしたが、これからは毎回、ひとりの人物に焦点を当てて読んで行くということで、今回のテーマは主人公である「女神イナンナ」。イナンナとともに、シュメール語の世界に旅立ちます。

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▼イナンナとはどんな神か

最初にイナンナとはどんな神様かというお話。詳細は後日にまとめますが、テーマとしては…

・女神イナンナ/イシュタル
 天の女主人であるイナンナ

・戦闘の女神

・愛と豊穣の女神

・さまざまな「メ」を神エンキから手に入れたイナンナ
 メとは神の掟、太古から神々によって定められた規範。具体的なものも、抽象的なものもある。

・そんなイナンナが冥界に下る

…などでした。

シュメールの図像ではライオン(随獣)に足をかけ、剣を持ち、星辰状の光背を有し、翼がある女神として描かれます。 また、楔形文字などでは「葦の束」として描かれます(白丸で囲ったのは安田)。

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イラン戦争のどさくさで一度、盗難にあったけど、戻ってきたウルクの大杯(紀元前3,000年頃)については、各段ごとに詳しい説明をしていただきました。でも、この黒板ってどうよ、って感じでしょ。楔形文字やら図像やら。もう楽しすぎます。

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※講義の詳細については、後日まとめます。

▼楔形文字を刻む

講義のあとは粘土板に楔形文字を刻ました。

初めての方も(そして、前回のことを忘れてしまった方も)いらっしゃったので、芦ペンの使い方からもう一度、教えてくださいました。

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まずは粘土をつぶして板(タブレット)状にします。粘土のつぶし方は人によってそれぞれ。最年少のはるき君はまたどんどん叩いてつぶします。

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楔形文字の「楔」には5種類ある。最後のがちょっと難しい。
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今回、粘土板に刻むのはこれ、難易度高いですね。
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お友だち同士、親子、ひとりで黙々と、この難しい楔形文字を刻むことに挑戦中。そしてはじめての人には高井先生が個人指導。
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ちなみにはるき君は、世界で初となる「楔形文字アート」も開発していました。ドラえもんを楔形文字で書いて(描いて)いたのです(最下部に注目)。むろん、その上にはちゃんと楔形文字も書かれています。

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※これは「Arika」さんのツイートから持ってきちゃいました。もとのツイートはこちらです→

…なんてやっているうちに、かなりの作品が出来上がりました。前回、高井先生が「まじめに出ていると(楔形文字の)書記として食べていけるようになります」とおっしゃってましたが、タイムマシンができればあながちそれも夢ではないかと…。

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<続く>

※ちなみに次回の講座は11月30日(土)です。